「完封さ!ヤクルトなんて打ちそうなの若松さんだけじゃないか」

ヤクルトファンのブログです。タイトルは1980年代のマンガ「リトル巨人くん」作中のセリフから。

ハイタッチネタじゃないけど上原を語りたい

伊藤智仁 館山昌平 そして上原浩治

好きな投手3人あげろと言われたら、いつもこうなる。

前二人は、私がヤクルトファンということがかなりウエートを占めるが、

上原投手を好きになったきっかけは、そのヤクルト戦での出来事。

もちろん有名な話なので、今更の説明は不要かもだが、

シーズン終盤のタイトル争いという、ペナント順位とは、

まったく関係ないとこで、

当時(1999年)両チームに G 松井 Y ペタジーニという、

球界を代表するスラッガーがおり、

HR王争いも、この両名に絞られていた。

そしてその結果、毎年起こるタイトル争いが絡んだいわゆる敬遠合戦。

ただここで言いたいのは、別にそれが悪いということではなく、

毎年見る風物詩だなという感想だけ。

(注 この試合は、ヤクルトも巨人も敬遠させていた)

しかし、この年は違っていた。

なんと上原投手が敬遠した後、

勝負ができないその悔しさからか、

マウンドの土を全力で蹴り上げ、そして目には光るもの

その瞬間、一発でこの雑草男に心惹かれた。

普通ルーキーで、しかも指示した監督はあのいわゆるミスター。

さらにその対象となるのが、球史に名を残すジャイアンツのいや日本の至宝。

生まれ変わっても、マリーアントワネットになれても、

この行動は生涯できない。

だから今でも紙面に上原の名が上がるたび、心躍ってしまう。

そして彼が今、メジャーで活躍しているのも、

歩んできた球歴と関係があるのかもしれない。

大学受験に失敗しての浪人生活。

その間、家計の足しにと道路工事でのアルバイトも経験。

その一年間を忘れないようにと、背番号19を希望。

そんな苦難があると栄誉を手に入れたら、

普通守りたくなるもの。

政治で、会社で、社会で、家庭で、それはことごとく証明され、

腐敗の元凶ともされる、人間が一番人間らしい部位。

何も異国の地で苦労なんかせず、現状で満足しても誰からも何も言われない。

でも、多分逆なんだろうなあ。

その忍従の時があったから、開き直る事も覚えたはず。

「何も失うものはない。だって俺は最初から何も持っていなかったじゃないか。」

カッコイイぜ、上原!